おしゃれで、すっごくかわいい二人組。


大人っぽく見えるから、高校生だろうか。


お祭りをいっしょに回ろうと誘っているみたいだった。


「……」


……やっぱり昴、かっこいいもんね。


まぶしくて、そこにいるだけで人目を惹いて、学校でも知らない人がいないくらいの有名人。


本当だったら、私なんかが隣にいることができないような、それこそ星のように遠くにいる人。


その人と、普通に笑い合えて、話ができているだけで、満足しなきゃ。


と、そこで昴が息を切らせながらやって来た。


「わりぃ、待たせた?」


「え? あ、だいじょうぶ。今来たところだから」


昴、さっきの子たちの誘いは断ったんだ。


それは、みんなでいっしょにお祭りに行く約束をしてたんだからそうするのが当たり前なのかもしれないけど、それでもちょっとだけうれしい。


「それ、浴衣、いいな」


「え?」


「梨沙の雰囲気にすげぇ合ってる。かわいい」


そう言って笑う。


うう、昴って、こういうことははっきりと言うんだよね。


きっとそこまで深い意味はないんだろうけど、どうしても少しだけ期待してしまう。