「やっぱり夏の夜っていったらお祭りでしょ! うん、決めた、お祭りに行こう!」



と、紗英が言って、決まったのだった。


浴衣、変じゃないかな。


鳥居の前でみんなを待ちながら、自分の格好を確認する。


紗英といっしょに選んだ、金魚模様の浴衣。


紗英はかわいいって言ってくれたけど、ちょっと子どもっぽすぎないかな。


浴衣の裾を直しながらそんなことを考えていると、少し離れた場所に見慣れた姿が目に入った。


あ、昴だ。


今日はいつもの制服じゃなくて、浴衣姿。


すごく、かっこいい。


手を振ろうとして、


「あ……」


と、昴がこっちに来る途中で女子に声をかけられているのを見てしまった。