「――できた……!」


ちょっと不格好だけど、小さなプラネタリウムがそこにあった。


「ん、初めてにしてはいい感じじゃないか」


「ちゃんとできてるかな? 見てみたいけど……」


「そう言うと思って、用意してきた」


「え?」


昴が広げたのは、折りたたみ式のミニテント。


「これならすぐに投影して見られるだろ? ここにこうして、っと」


テントを組み立てて、その中に昴と二人で並んで横になる。


夏の星空のような昴の香りがふわりと漂って、少しだけドキリとしてしまう。


「それじゃあ、点けるぞ」


「うん」


昴がそう言って。





――次の瞬間、テントの天井に、夏の星空が広がった。