「優…!…うか!」



あれ?なんで…

君が、目の前に…いるの?




10年間1度も帰ってこなかったじゃない…




それなのに…





「優華!!」



「っ…!!」



目を開けるとそこには玲の姿。



そっか、あのまま寝ちゃったんだ



そうだよね、だっているわけないもん。




夕日に照らされる玲の肌は


少しだけオレンジ色。



「あはっオレンジだぁ〜」



「はぁ?寝ぼけてんの?帰るぞ」



帰るったってまだお昼休み……あれ?



夕日?オレンジ?


帰る!?



「ま、まさか…」




「みんな帰ってるな」



うわーうわー!


やらかした!


まさか寝過ごすなんて!!



「まあ、こうなるだろ」



「バカちん!こうなるなら寝ないでよ〜」





実際は私も寝ちゃったからそれは
私にも言えることだけど。





立ち上がりドアに向かうと、鞄が無いことに気づきそのまま2人で教室に鞄を取りに行った。




ガラガラっーと勢いよく戸を開けた玲。



校舎が古いからか、音が昭和の様な教室をイメージさせる。




……って、昭和の教室知らないけど




「お前ら…」



聞こえた呆れにも近い声は


間違いなく担任の先生の声だ。




「あ!やっぱり岡ちゃんだぁ〜」



岡本先生ことおかちゃん。



面白いキャラでみんなにそう呼ばれてる



「瀬戸口、真白、またサボりか!し、か、もHRまで!」



俺はなぁ、なんて続ける先生の隣には



見慣れない男子生徒の後ろ姿があった。