弥月 桂都side




相変わらず冷たい風に

すくんでしまいそうな体育館の入口


ふと、言い合う声が聞こえきた



「あんたに寄ってくる虫けらを排除する為に決まってんでしょ?!?!?」


今どきこんな事をいう子が居るのか

そう思って、視線を向けたとき


小さい花がたくさん咲いたような

そんな女の子が視線の先に止まった









______っ、...!




別に初恋がまだだとか

そんな純粋なわけがない心臓が


ギュッと掴まれたのが分かった








「一目惚れ…」





言わなくても分かるだろう

そう思ったけど


ポツリと出た言葉に俺は

驚きを隠せなかった








「む、む、虫けらぁぁ?!いやっ、私、虫は無理だからっ!!ハエたたき常備するかんね?!」





そう思っている側から

聞こえてくる会話に思わず吹き出した



「っはは(笑)」



小さく笑ったつもりが

聞こえていたらしい



「弥月先生?どうしました?」



隣の先生がそう不思議そうに

聞いてきた



「いえ、少し思い出し笑いですよ。」



まさか、24になってから

一目惚れを知るなんてな…(笑)