「うぅっ、寒っ!!!」
学校指定のライトブラウンのコートを
羽織りながら玄関を開ける私は
相川 優愛 (あいかわゆい)
今日は、高校入試
いつもと違うドキドキに戸惑ってる
「優愛〜!いつまで準備してるの!
遅れちゃうじゃない!!」
運転席の窓を開けそう怒鳴るお母さん
今日だけは、ありがたく思える
「もう行くー!」
「ったく〜、早くしなさいよ…!」
少し涙ぐむお母さんを不思議に思いながら
助手席に乗り込んだ
「行ってきます!!!」
我が家に向かってそう叫び
車は出発した
まさか、この後
まだ知らなかった気持ちを
知ることになるとは知らずに