桜と私は正反対だ。

自信満々に

どこか誇らしげに

桜は咲く。


私は桜の姫と書いて桜姫(オウヒ)

そう名前をつけられた。

桜のように胸を張って

大切な人を導ける姫の様な存在でありなさい

それが私の名前の由来だった。




母親は2年前に私を捨てた。

正確に言えば私より彼氏を選び、無駄に大きい一軒家と私の貯金を置いて出て行った。

父親は私が生まれた翌年に母親へのDVが発覚し離婚した。

私は母親が大好きだった。

大好きだった母親が私を捨てたんだ。


だから私を捨てた母親がつけた名前なんて大ッキライだ。






私はいつも人見知りで暗かった。

すぐ赤くなる顔を隠すためにも大きいダテメガネをかけて、小さい頃から伸ばしていた髪も三つ編みにしていた。


だから、高校に入る頃にはいじめは日常と化していた。