「俺、1ヶ月前くらいに彼女と別れたんだけど。


だから、クリスマス一人なんだよなー。


よかったら、俺と過ごしてみる?」


「遠慮しときます」


「なんだよ、冷てーな」


冷たいって、どういう神経で言ってるんだか。


なんで私が、本田さんとクリスマスを一緒に過ごさないといけないんだ。


「そろそろ帰ります」


「まだ21時過ぎだけど?」


「家に帰ってから、やりたいことがあるので」


一人で展示会プランを練りたいだけ。


「そっか、じゃあ行くか」


伝票をサッとつかんで、本田さんは立ち上がった。


「待ってください、払います」


「いらねーよ」


「そういうわけにはいかないです」


「いいって、俺の方が稼ぎいいし」


「でも、ごちそうしていただく理由がないですから」