「凛」


ふわっと、朝ごはんを食べる私の身体をアキの匂いが包む。



「アキ、どうしたの?」

「嫌な予感がする」

「……気のせいじゃない?」


後ろから聞こえるアキの声が耳を掠って、どきりとした。



……アキは、勘が鋭い。



「凛、迎えに行く」

「冗談やめて。何時になるか分かんないし」

「それでも行くから」


こうなったアキは、絶対に折れてくれないことを知っている。



過保護だから、心配してくれてるのはわかるんだけど。



「アキ、今日は本当にダメ」

「、」


濱田課長の存在を、アキに知られるわけにはいかない。