「……凛、お前また稼ぎにでも行くの?」

「え?なんで?」



土曜の朝。


朝ごはんを食べるためにアキの部屋へとやって来た私に、アキは不審な目で私にそう聞いてきた。



「香水、つけてるだろ」

「よく分かったね」

「はぁ〜…、今日はどこの人?」

「営業部の新課長さん」



流石に、"悠人君" だとは言えない。


きっとそれを言えば、アキはきっと心配するから。



「……寝るの?」

「まぁ、行けるところまでは行く」

「…あ、そ」


不意に、アキの声が少し下がった気がした。