…あぁ、今の私ならそんな顔をさせられるのか。
試しでやってみたつもりだったのに、思いの外手応えを感じる。
良いことを思いついた。
「では濱田課長、また土曜にお会いしましょうね」
あれだけ面倒だった土曜の飲み会も、今から楽しみで仕方ない。
笑顔でそう告げれば、私はさっさと自分の受付の席へと踵を返した。
「ちょっと凛華…っ!あんた、何してんの!?」
「あの人かっこいいから狙うことにした」
「…ちょ、はぁっ?」
一部始終を見ていた楓が焦ったように私を問い詰めるけど、そんなことは御構い無し。
「楽しくなるよ、これから」
呆れる楓をよそに、私は楽しいゲームを見つけた子供のようにウキウキしていた。