北緯68度付近、北極圏内(北緯66.6度以北)に位置するため、冬は太陽が上がらない代わりに、夏至前後は白夜が続く。


 一日中太陽の光の恩恵を受けるため、雪や氷河も溶け出すけれど、悪天候の際は空は曇りで覆われ気温が下がり、一気に冬に逆戻りするため油断はならない。


 強風が万年雪を巻き上げ、ブリザードを発生させ、夏だからってピクニック気分の軽装で歩き回っていると、命の危険となり得る。


 日本でも高山帯などでは夏でも雪が残っていたりと、過酷な気候を体験したりするけれど、極地のそれはさらにスケールが上回るため、旅をするにも事前に万全の準備が必要。


 楠木もジョアヘヴンの町にしばらく滞在し、まずは知り合いの冒険家と落ち合ってトレーニングをしてから、本格的に活動開始すると話していた。


 ……おっと、ちらっと覗いただけのつもりが、いつの間にやらかつてのように極北の世界に引き込まれていた。


 きりがなくなるので、Facebookを閉じた。


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