その後無事に就職先は見つかり、卒業後はそこそこ有名な会社に入り、無事に社会人として働き始めるも。


 極北への想いを断ちがたく、当面の活動資金を貯めるだけ働いたところで退職。


 退職後は毎年、春から夏にかけて極北の地に赴き、旅を続ける。


 帰国後に旅行記や写真集を出版し、次回の活動資金に。


 当然それだけでは成り立たないため、数々の副業をこなしてはいるものの資金不足は否めず、スポンサーを常時募集しているようで、Facebookの「情報」欄にもその旨記されていた。


 ……直行便なんて絶対ないだろうから、カナダのバンクーバーとかイエローナイフ経由で空路極北まで移動するのだろうか。


 一回行って帰ってくれば、いったいどれくらいの費用がかかるのだろう。


 このご時世、気前よく活動資金を提供してくれるスポンサーって、どれだけるのだろう……?


 あれこれ考えているうちに夜も更けてきて、眠くなったので寝てしまった。


 その夜は真冬の猛吹雪の中、道に迷って大変な目に遭うという寒くて凍える夢を見たような気がする。