あんなにもせんそうばかりしていた、ふたつの国。
しかし今は、王子さまとおひめさまのこいがかなうよう、心からねがっています。

きょだいなはしができてからというもの、山の国と海の国はとてもなかよしになり、けんかなどしないようになりました。

王さまどうしのなかはわるくても、ベガとアルタイルが、たがいをおもいつづけるかぎり、ふたつの国のひとびとは、もうあらそうことはありません。

ベガとアルタイルは、まいにちのように、会うことができたのですが、おやにけっこんをみとめてもらうため、まんげつのばんにのみ、あうようにきめたのでした。

そのようすを見た山の国の王さまは、ベガのすばらしさに、ようやくきがつきました。


ある日、山の国の王さまとアルタイルが、はしをわたり、海の国の王さまのもとへ、やってきました。

まじめなアルタイルのすがたと、山の王さまがみずからでむいたことに、海の王さまは心をうたれました。

むすめのベガもやってきて、おもいをはげしくうったえました。


「よろしい、けっこんをみとめよう」

こうして、ふたりはけっこんをみとめられ、山の国の王さまと海の国の王さまは、まるでせんそうなどしていなかったかのように、なかなおりしたのでした。