「チミ。結構私に読まれてるでしょ!」
咲は楽しそうに光を見た。
これも光が思っていたことだった。
「でも、私は人の心が読めるわけじゃないんだよ!」
苦い顔をつづけている光に咲は笑い掛け続けた。
「チミのこと、名前も知らないけど…。解るんだよね~。不思議と。なぜかなぁ。たぶん同じ系統なんだよ。私たち。」
「同じ系統?」
「なんだろうねー。非科学的な発言だけど、私たちは人間じゃないのかもしれない。」
「人間じゃないって?」
「だって。私たち誰とも交われない人種だから…。もしかしたら人間じゃないのかもって思わない!どーせチミも友達少ないでしょ。」
「違う生き物ね…。こんな見た目してるけど。」
「違う生き物なの!チミは地球外生命体だよ。ゼッタイ。」
咲はメロンソーダ味のお菓子を口の中にほおりこんだ。
「あ、僕より君の方が地球外生命体でしょ。心読んでるし。」
「いやいや。チミがおんなじこと考えちゃってるだけだからね!同じ生物万歳!」
光がグラスに残っていた最後のハーブティーを飲み干した。氷が溶けていたので少し薄かった。