「ねぇ、なんで最近皇くんと一緒にいるわけ?てか、皇くんに手ださないでよ!」

数名いた中で1人だけキャンキャンと喚いているが周りはただの連れだろうか。それとも言えないだけで本当に好きとか?滑稽だな

そんなことを頭の中で考えていると「聞いてんのかよ!」と胸ぐらを掴まれたので流石にイラッとしてしまい、

「お前さぁ、あいつの彼女気取りな理由?痛いよねぇ~、あいつはお前のことなんて眼中にもないのに勝手に独占されて、束縛されて可哀想に。自分が恥ずかしいことしてるのに気づいてないの?」

(あー、言いすぎたかな。)

女達は顔を赤くし何も言い返せないようだった。
それを確認し、その場を去ろうとすると男の声が聞こえた

「何してんだ?南」

声に気づいた一つ結びをした女がその男に駆け寄った

「貴くん!?えっと、これは神弥さんと言い争いになっちゃって」

「あぁ?テメェ俺の女傷つけたのか?」

貴とゆう男が詰め寄り睨みつけてきた

「あなたの彼女と言い争った気はありませんが傷つけはしたかも知れませんね」

「テメェ!」

3発ほど殴られた所で女子全員が恐怖で泣きながら止めに入り「次やったら、ぶっ殺すからな」と捨て台詞を吐かれ、その場に放置された

(痛てぇ。てか、約束...もういっか)

「咲希ちゃん!」

声のした方を向くと天月が血相かいた顔でこっちに向かって走っていた

「大丈夫?」

「あぁ。てか、お前なんで此所にいんの?」

「えっと、待っててもこないから・・・。」

皇は咲希の肩を掴み心配そうな眼差しを向けた

「何があったの?」

全てを話す必要は無いと思い「男に殴られた」とだけ言った

「誰?」

聞いたこともない低い男の声

「貴とかゆう奴」

それを聞いた天月は肩を掴んでいた手に力を入れた

「痛い。天月...ッ」

深く暗い沈んだ瞳。今までした事ない表情に息を飲んだ

「...あ、ごめんね痛かったよね。取り敢えず保健室行こうか」

さっきの表情が嘘のようにヘラっと笑い、手を取り保健室へと向かった。

(怖いなんて久しぶりに感じた)

天月の手を握り返した神弥の手は少し震えていた