どうするべきか、と悩んでいたのが沈黙の形となって2人を包む。


そんな沈黙を破ったのは、三枝くんだった。


「じゃあこれ鳴海にやるよ。友だちでも家族でも、一緒に行きたい人にあげればいい」


彼なりの優しさのつもりだろうが、私にはつい嫌味に聞こえてしまう。


「私に友だちがいないのは、君がよく知ってるでしょ。それに、高校生にもなって家族と遊園地っていうのはどうかと思うし…三枝くんにあげるよ」


「そんなこと言われてもなぁ。知り合いは皆、一寸成就のことを知らないやつばかりだし、俺が小さくなっていることを知ったら遊園地どころじゃないだろ」


うーん、と2人は黙り込み、話はふりだしに。