「だから、今日は新月なんだって!」


「うん、そうなんだ」


「新月は、俺にとってご褒美の日らしいよ! 半分頑張ったね、あと半分頑張って、っていう意味を込めて、なんでも欲しいものをくれるって、さっき神様っぽい声が聞こえた」


「へえ、すごい…!」


『一寸成就』に関わると、神様の声も聞こえるような力も使えるのか、と不思議な現象に驚きつつも、なんだかわくわくしている自分がいた。


でも、なんでも欲しいものをくれるって、神様に頼まなくても、そのくらい私が買ってあげるのに。


だけど、彼がどんなものを頼むのか、楽しみに待つ私がいた。


「…で、何にするか決めたの?」


「ああ、もう届いてたよ。ほら!」


ドールハウスの中から満面の笑みで取り出したのは、2枚のとある遊園地のチケット。