それから私は、二度寝をする気にもなれなくて、そのまま起きることにした。
一階のリビングへ降りてみると、お母さんが朝食を作っていたが、お父さんの姿はない。
きっとまだ寝ているのだろう。
そう勝手に解釈し、おはよう、とお母さんに挨拶をする。
「おはよう……って、どうしたの、結子? 今日は珍しく早いじゃない。学校で何かあるの? 私が気付かないうちに部活入っていたとか?」
疑問がたくさん降ってくる。
いつもより1時間早く起きただけで、こんなに疑われるなんて。
「ただ目が覚めちゃっただけだよ」
「そう? ならいいけど」
ふふっ、と笑って目玉焼きをお皿に盛り付けるお母さん。
テレビをつけると、いつもと違う知らない世界があった。
1時間という時間は、もしかしたら短いようで意外と長いのかもしれないな。
だとすると、あと約20日。
この日数は私が想像しているよりも、ずっと長いのだろうか。
ぼんやりとテレビを眺めながら、そう考えていた。