「ごめん、ちょっと遊びすぎちゃってさ。これからは気をつけるね」


「そうしなさい。友だちが多いのも分かるが、メリハリをつけないとな」


「そうよ、せめて連絡くらいちょうだいね」


「うん。分かった、そうするよ」


階段を上がり、自室へと向かう。


両親には何も悟られないよう、無駄なことは一切話さない。


どこで誰と何をしてきたのか。


そこまで誤魔化せるなんて、私には出来るわけがないのだから。


「…本当良い家族だよな、鳴海って」


部屋に着くなり、呟くように口にした三枝くん。


「そう? ちょっと過保護すぎるだけだよ」


荷物をおろし、疲れを癒すようにベッドに横になる。


同時に、三枝くんは私の胸ポケットから出て、同じように横になった。


その目線は決して私と交わることなく、ただぼんやりと真っ白な天井を眺めるばかり。