玄関を出て、3人で歩く帰り道。
三枝くんは行きと同じ左の胸ポケット。
逢坂くんは私の右隣。
両端が騒がしい。
どうして私が真ん中なのだろう。
「なんだよ、面倒くせぇ奴だな。一緒に住んでるんだから今さらそんなこと言われても」
「はあ!? 一緒に住んでんのかよ!?」
逢坂くんは驚きのあまり足を止める。
つられて私も立ち止まった。
「なんだよ、何か文句でもあんのか?」
「あるよ、ありまくりだよ! いくら小さいからって、女子の家に寝泊まりするやつがどこにいるんだよ!」
「んー、俺とか?」
「………っ! この変態ヤロー!」
逢坂くんは真っ赤になりながらも、能天気な三枝くんへの文句をずっと言い続けている。
喧嘩するほど仲が良いってことなのかな、と黙ってそれを見ていた。