疑問に思いながら逢坂くんの方に目をやると、向こうも同じように複雑そうな顔で私を見ていた。
「おはよう、鳴海。って、あれ? 今、紘の声が聞こえた気がしたんだけど…」
気のせい?、などと不思議そうに頭をかいている。
なんだ、声が聞こえただけか。
ふと三枝くんの方を見れば、私の膝の上で楽しそうに笑みを浮かべていた。
仲良いなぁ、なんて2人を見ていて感じる。
「そういえば、どうして鳴海は俺ん家に?」
俺ん家…?
そっか、ここは逢坂くんの家だったんだ。
じゃあ晴継さんは、おじいさんなのかな?
彼の問いに答えようとした時。
さっきの女性と、晴継さんらしきおじさんが部屋に戻ってきた。