すると何分か経ち、階段を降りてくる音が聞こえた。
晴継さんを連れてきたのかな?
なんてわくわくして待つと、降りてきたのはクラスメートの男子。
あれ、どうしてここに?
首をかしげながら彼の名前を思い出す。
えーっと、確か…。
「よ、小春(コハル)」
「その名前で呼ぶなぁ、紘!!」
あ、そうそう。
逢坂 小春。
三枝くんともかなり仲が良い友だちで、女の子みたいな名前だから、三枝くんがからかってわざとらしく下の名前で呼ぶと、それに照れながら怒る、というのが2人の定番パターン……なんだけど。
どうしてそれが今起きているのだろう。
もしかして、逢坂くんは三枝くんの存在に気付いているのかな。