「じゃあ、三枝くんはちゃんと元の姿に戻ることができるんだね?」
「もちろん。神さまが試練を与えることができるのは、満月から次の満月までと決まっておるのじゃから」
「そっか、良かった」
おばあちゃん家を後にして、私たちは地元に帰ってきた。
そして家の近くの図書館で、一寸成就についてもっと詳しいことを調べることにした。
こんな近くに資料がたくさんあるなら、先に図書館に来ておいても良かったかな、とも思ったが、おばあちゃんの話があったから、てんやわんやになることもなく、冷静に行動出来ている自分がいる。
調べたかったことは主に2つ。
一つ目は、満月から次の満月までの日数。
私はあまり天文学などについて詳しくないため、中学生の頃に習った理科の情報でさえもほとんど記憶にない。
だけどこれは三枝くんが『一寸成就』を行う日数でもあるから、ちゃんと確認しておかなければならない。
おばあちゃんの話を聞いたとき、真っ先に思った。