そんな、臆病で弱い私の心を、三枝くんは優しく光を灯す。
肩に置いていた手は、いつしか背中にまわっていて、暖かい体で私を包みこむ。
「大丈夫。大丈夫だから聞いてほしい」
耳元で囁いた言葉は、張り詰めた心をゆっくり溶かしていき、穏やかにさせる。
何も怖くない。
何も心配はいらない。
三枝くんの腕の中で流した涙は、気付けば安心の色に変わる。
君がいれば、もうそれだけでいい。
たとえどんな願いであったとしても、私はそれを受け入れられる。
大丈夫、大丈夫…。
「じゃあ、教えてほしい……三枝くんの願いが、知りたい……」
「うん……」
神様は本当に実在するのか。
小学生の頃からなんとなく気になって、なんとなくいるんじゃないかと思っていた私。