軽い気持ちで聞いてしまった自分に、後悔する。
『一寸成就』が終わってもまだ解けていなかった謎。
一番大事だったはずなのに、どうして今まで忘れていたんだろう。
三枝くんが小さくなってまで叶えたかった願い。
知りたいけれどなぜか知りたくないような思いもあって、もどかしい思いが、私の中で渦巻いている。
「それで、願いが分かったんだ…思い出したんだよ。俺はあの日、神社で──」
「やめてっ…!」
三枝くんの言葉を遮るように、私は耳を塞いだ。
やっぱり聞きたくない、三枝くんが自分を犠牲にして祈ったことなんて。
知って傷ついてしまうくらいなら、知らないままでいたい。