「おそらく、『一寸成就』の神だったと思う。なんて言っていたかは正直覚えていないけれど、間違いはないはず。小春が一寸成就の記憶を断片的に思い出したのも、きっとこれが影響しているんだろう」


よく分からないけれど、つまりは観覧車のこのゴンドラと『一寸成就』が関係していることに気がついたから、また私を連れてここへ来たと。


だけど、それはいいとして、キスをしようとしたこととは全くの別物のはず。


私はそっちの説明をしてもらいたいのに。


「それで、今日はどんな言葉が聞こえたの?」


この質問した時の私は、半分呆れていただろう。


三枝くんにとって、もう『一寸成就』は終わったことなのだから、関係ないじゃない。


「違うんだ。今日は言葉じゃなくて、映像が見えたんだ」


「映像? どんな?」


「……俺が小さくなった日、神社で願ってたこと」


「願い…」