「どういう、こと…?」
三枝くんの脳内が見当つかず、ありのままの疑問を彼にぶつける。
すると、私の両肩に強く手を乗せ、さっきよりも鋭い眼で私を見つめる。
「新月の日、小春も入れた3人で遊園地来ただろ?」
「うん、神様にチケットを貰ったって…」
忘れる訳がない、三枝くんの子供らしい弾けたあの笑顔を。
「あの時も、同じ観覧車に、同じゴンドラに乗った。もしかしたら、これは偶然じゃないかもしれないんだ」
「えっ?」
聞き返すと、彼は自分の頭に指を差しながら答えた。
「聞こえたんだよ、神の声が」
そうか。
この仕草は、神様の声が脳内に直接語りかける、いわゆるテレパシーであることを意味しているのか。