「ただいま、おばあちゃん」


玄関の扉を開けながら、なるべく大きな声をかける。


遠くの方から足音が聞こえて、おばあちゃんの姿が見えた。


「おやまあ…! いらっしゃい、結子」


突然のことにもかかわらず、暖かな笑顔で私たちを迎え入れてくれた。


「それで、今日はどうしたんだい? ひとりでこんな遠くまでわざわざ訪ねてくるなんて、よっぽどの理由がなけりゃあ、普通来ないじゃないか」


居間で休んでいると、お茶と和菓子を出してくれた。


「うん、それがね…」


私はありのままを全て話す。


クラスメートが突然何の前触れもなく小さくなってしまったこと。


原因が何一つわからないこと。


戻る方法の手がかりが何もないこと。


おばあちゃんなら、こういう都市伝説みたいなことについて何か知っているんじゃないかと思って。