「おはよう、鳴海」
そんな時、声をかけてきたのは逢坂くん。
まるで土曜日のことは何もなかったかのように、いつもの笑顔。
どうして、そんなに笑っていられるんだろう。
今の私には到底理解出来ず、とりあえず、おはよう、と挨拶を返すことしか出来なかった。
「どうした? 何かいつもの鳴海じゃない気がするけど」
具合悪いのか、と心配してくれる逢坂くんは、私と違っていつもの逢坂くんだ。
「…そんなことないよ」
「あるだろ? ほら、言ってみ」
ほおを挟み込むように手を添え、まっすぐな瞳を私に向けた。
優しい言葉と仕草に、つい甘えてしまう自分がいる。