「でも、私まだ大人じゃ…」
「高校生も大人みたいなものよ。きっと、逢坂くんも結子のそういう一面に惹かれたのね」
私に似たんだわ、とまたくすくす笑う。
そういうものなのかなぁ、とまた考えるけれど、なんだかお母さんの言う言葉は妙に説得力があって、上手い反論も見つからない。
だから不思議と納得してしまうのだ。
じゃあ私はこのままでいいってことなのかな。
…とりあえず、今日は土曜日だから明日もあるし、学校で逢坂くんに会うまで、いろいろと考えてみればいいか。
新たな日常に好奇心を抱きつつ、それでもやっぱり出てきてしまうネガティブな思いをどうにか消し去ろうとする私だった。