「へえ、逢坂くんっていうんだ。格好良い名前ね」
「うん…テニス部部長もやってるの」
「まあ、すごいじゃない! きっとモテるんでしょうね、その逢坂くんって子」
モテる、か……考えたこともなかったけれど、もしかしたらそうなのかもしれない。
頭だっていいし、運動も出来る。
何よりも、明るくて優しくて、男女平等に人気があるから、彼女や好きな人だって、彼になら作ろうと思えば簡単に作れるんだ。
「なら、どうして私なんか…」
「そういう、素直なところなんじゃない?」
「えっ?」
頬杖をついて、優しく笑いかけた。
「飾らない美しさっていうわけ? 大人になると、そういう素朴な可愛さが受けたりするものなのよ」