「じゃあまたね、紘くん。2人も今日はありがと」


「ああ、次は学校でな」


紘くんの体を私に預けながら、逢坂くんは鈴村さんに手を振る。


「やっぱり、ここが一番居心地がいいわ」


いつものようにポケットに入れてあげると、三枝くんは柔らかい笑顔で言う。


ここが一番…きっと、さっきまで聖くんの手の中だったからだと思うけれど、つい三枝くんの言葉一つ一つに意識してしまう。


なんでだろう、こんなにも緊張する。





そんなこんなで家に着いた。


帰り道はずっと上の空で、どんな話をしたかも、なんて答えたかも、正直よく覚えていない。


今日はいろいろあったからなぁ。


と言っても、逢坂くんと神社に行っただけだけど。