ピンポーン。
三枝くんの家に着いて、私たちはインターホンを鳴らした。
今朝ぶりだと言うだけなのに、ものすごく懐かしい気分。
「はーい」
と、その時声が聞こえ、次第に扉が開く。
出てきたのは、声の主の鈴村さん、それから…。
「あーいっ!」
私たちの半分くらいの身長しかない、幼い少年。
ふっくらとしたその表情に宿っているのは、可愛らしい笑顔。
「もしかして…聖?」
逢坂くんが、少年を指を差しながら鈴村さんに尋ねた。
「そうだよー。なんか紘くんの両親が仕事で遅くなっちゃうみたいで、今日は私もこっちの家で過ごそうかなぁと思って。それで朝からずっと一緒にいたら、こんなに懐いちゃった!」
ねー、と鈴村さんが聖くんの頭を撫でると、また嬉しそうに微笑んだ。