三枝くんについて熱く語る逢坂くんは、友だち思いで本当に羨ましい。
もしこの一寸成就が、逢坂くんの言うように三枝くんの望んだ運命だとしたら、私もそれを手伝いたい。
彼の答えに辿り着くまで、遠くでもいいから見守っていたい。
「…あと」
そしてまた、逢坂くんは口を開く。
「こんなタイミングに言うのもなんだけど、俺にとっての大切な人は、鳴海だから」
耳元で囁くように呟いた逢坂くん。
「えっ…」
状況が飲み込めず、どういうことなんだろうと彼の表情を確かめようとするが、お互いに体が熱くなって、目を合わせることも出来ない。
「好き、だから…」
「……っ」
またもや、ぼそっと呟く逢坂くん。