「もともとこの高校志望校にしていた俺は、余裕で合格した香澄と一緒に入学した。それから、俺と紘は同じクラスになり、気付けば友だちで。
紘と香澄は、俺を通じて仲良くなっていって、いつしか香澄が紘を求めるようになり、告白した。恋愛経験はないと言っていた紘だけど、これをきっかけにもっと香澄と親しくなれたら、とOKしたんだそうだ」
やっぱり告白は鈴村さんからだったのか、と相づちを打ちながら納得する。
「だけど、この間さ。テニス部部室で2人きりにさせたあの日、紘から別れを切り出されたらしい」
「えっ…!」
衝撃的すぎる事実に、頭が真っ白になる。
だってあの日は、三枝くんが鈴村さんと血の繋がった家族だって知った次の日だったのだから。