「…で、俺は青、紘が黄色、香澄がピンクっていうわけ。懐かしいな、あれからもう結構経ったのかぁ」
ぼんやりと空に目線を送り、楽しそうな笑みを見せた。
私の知らない逢坂くんがそこにいて、当たり前のはずなのに、なんだか切なくなる。
「そっか、じゃあ三枝くんに返さないとね。大切なものなら、見つかってよかった」
逢坂くんと三枝くんと鈴村さん…3人の思い出だもんね。
なくしちゃいけないよ、三枝くん。
手元の小さすぎるストラップが、彼を思い出させる。
大切な、思い出…。
もし三枝くんにとって、このストラップが宝物なのだとしたら、逢坂くんだって鈴村さんだって、かけがえのない大切な存在になっているのかな。
なら、何も迷い悩むことないのに。