「遠縁、神社…?」
「うん、来たことない?」
遠縁神社…よく考えてみれば、私たちの住む街と同じ名前。
この地域でも有名な神社なのだろうか。
「初めて来たかも…」
思わず声に出したが、ここが有名な神社だとすると、子供の頃などにもしかしたら訪れたことがあるかもしれない。
そのように気付いたのは、もう言い終わった後で、今さら弁解するほどでもないため、そのままやり過ごすことにした。
「俺はだいたい毎年、この神社に初詣に来てるんだー。今年は紘と…香澄もいたかな」
「へえ、そうなんだ」
なんてことないように受け流してしまったが、今逢坂くんの口から『香澄』と聞こえたような。
でも、今年の初詣ってことは、もう三枝くんと鈴村さんは付き合っていたわけで。
恋人のデートにわざわざ同行したようにも、思えない。
なら、もとから3人は交流があったのだろうか。