だけど…ふと見上げれば、困惑状態の鳴海。
どうすればいいか分からない、とでも言いそうな面影。
それでも、どうしようかと彼女なりに考えてくれているのが伝わって、なんだか嬉しくなっている自分がいた。
その時決めたんだ──この一寸成就期間だけでも、鳴海と過ごすって。
つまり、鳴海がいてくれたから、今の俺がいると言っても過言ではない。
あんな素敵なドールハウスまで用意してくれたしな。
意外にも快適で落ち着くんだよな、これが。
今までずっとマンションに住んでいたから、一軒家に住むという感覚が初めてで、しかも一人暮らし!
これを『最高』と呼ばずに、何と呼ぶ。
と、まあこんな感じでずっと浮かれていた俺だったが、一寸成就のせいで考えさせられたこともたくさんあった。