いきなりの登場に驚いた様子の鳴海だったが、心優しい性格からか、俺を受け入れてくれたんだ。


そんな健気な姿が、あの頃の俺にとっては本当に貴重な存在で。


いつしか、明日も明後日も話してみたいって思うようになっていた。


そして次の日。


思いが通じたのか、はたまた偶然か。


俺はなぜか一寸成就に巻き込まれていた。


どうしてこうなったのかも分からないまま、3センチの体に悩まされていた矢先──・・・


「………っ!?」


その鳴海と、目が合ってしまったのだ。


そっか、ここは鳴海の席か。


なんて妙に冷静に頭が働いてしまう俺を、鳴海は手に取った。


うわっ、とと。


急にふらつく足場に、思わず声をあげそうになる。