次の朝。


玄関の扉を開けると、逢坂くんがいなかった。


別に付き合っているとか、一緒に登校する約束をしているとか、そんなわけじゃないから当たり前なんだけど、毎日来ていてくれたのに急にいなくなると、なんだか不安になる。


逢坂くんの身に何かあったんじゃないか、って心配になる。


「ん? どうかしたのか、鳴海」


周りを見渡しながら立ち止まっていると、三枝くんが胸ポケットから不思議そうに顔をのぞかせた。


「ううん、やっぱりなんでもない」


今は三枝くんにとって大切な時期なのに、変なこと考えさせたらいけないよね。


きっと、逢坂くんは逢坂くんで何かあるんだ。


気持ちを切り替えていこう!