「やっぱりそうだったんだね。応援するよ、逢坂くんとのこと」


頑張って、と付け加えると、彼は真っ赤な顔で言う。


「だから、違うってば!!」


「あはは、だよね」


必死な弁解に、私も笑って答える。


でも、三枝くんのもやもやの先が逢坂くんじゃないとしたら…。


そこまで考えたとき、豪快に首を左右に振った。


ないないない!


三枝くんには鈴村さんという素敵な彼女さんがいるんだから!


変に自惚れちゃだめだめ!


高まる鼓動をどうにか落ち着かせ、私は数学のプリントを片手に、机へ向かったのだった。