「そんなにあいつに夢中だったのかよ」
「…そういうわけじゃないけど」
そして三枝くんは、むすっと口を膨らませ、機嫌を悪くする。
今までにも、彼が同じ表情をしたのは何度かあった。
私が逢坂くんと話していた時。
三枝くんのことをうっかり忘れていた時。
どれも、今と似たような状況だ。
寂しがり屋ってこと?
それとも…。
「嫉妬してるの?」
「っは!?」
聞いた瞬間、真っ赤にほおを染める彼。
やっぱり、図星だったのかも。
「私が逢坂くんと仲良くしてるから、やきもち焼いているんでしょ?」
「ち、ちげーよ!」
「でも大丈夫、親友を取ったりしないから」
「親友?」
私の言葉に、三枝くんは首を傾げる。