三枝くんも元のサイズなら、どんなやりとりをしていたのかな。
きっと、『そんなのも分かんねえのかよ』なんて小馬鹿にしながらも、優しく教えて、一緒に探してあげるんだろうなあ。
「ふふっ」
自然とこぼれた笑みに、逢坂くんが気付き、目をぱちくりさせた。
「どうかした、鳴海? 俺なんか変?」
「ううん。ただ、三枝くんが三枝くんだったらもっと面白かったのかな、って思って」
「紘が紘? …ああ、なるほど。確かにな」
分かってくれたのか、それとも無理やり理解したのか。
彼は優しすぎるから分かんないや。
「プリント、家に着いたらメールで画像送るね」
「えっ…あ、ああ。ありがと」
メールして、と朝言ったのは逢坂くん自身なのに、私が今言うと、恥ずかしいのか、顔が赤くなっている。