「えっ…」


分からない、って……だって、その言葉を言ったのは逢坂くんのおじいさん、晴継さんでしょ?


ならどうして…。


「でも老化による物忘れとかじゃないらしくて。なんて言うか、分かりそうで分からない、もやもやとしたもどかしい思いは、『一寸成就』特有の感情で、他の何でもない、って言ってた」


「じゃあ、あの遊園地は『一寸成就』と何か関係が…?」


「ああ、かもしれない」


確証はないけどな、と逢坂くんは笑ってみせた。


あの遊園地が『一寸成就』と関係している、か。


私はご飯を口に運びながら、考える。


もしかしたら、三枝くんが新月の祝い品としてあの遊園地を選んだのも、偶然じゃなかったり。