「俺で良ければ、全然友だちになるから! なんなら、親友でも恋人でも!」
笑顔でそう言ってくれたが、『恋人』と言葉にししまったことに気付いて、逢坂くんの顔はまたみるみる赤く染まる。
「ち、違うから! 恋人……じゃなくて、その…」
「うん。もちろん分かってるよ、大丈夫」
「そ、そっか。あは、あはははは…」
無理やりに釣り上げた口角で、突然笑い出す逢坂くん。
彼にもいろいろあるんだな。
私は苦笑いで同情の目を向けた。
…けれど。
『友だちになりたいと思うことに、それ以上の理由なんていらないでしょ?』
さっきの言葉を思い出す。
ああ言ってくれたのは、本当に嬉しかった。
あまり話したことないクラスメートが勝手に家に上がり込んでいるという、出会いが出会いなだけに、逢坂くんは私のこと嫌いなんじゃないかって、正直ずっと思っていた。