「同じクラスだけど、紘があんな風になってしまうまで、全く話したことなかったじゃん? だからこれを機に、もっと鳴海のこと、知りたいなと思って」


「えっ。でも、私のことなんか知ってどうす…」


「どうもしないよ。友だちになりたいと思うことに、それ以上の理由なんていらないでしょ?」


友だちになりたい…?


私と…?


そんなことを言われたのが初めてで、つい涙がこぼれ落ちてしまう。


「おっと…! 大丈夫か、鳴海!? 俺なんか変なこと言った!?」


ハンカチどこだっけ、と鞄やポケットを手探りで探す逢坂くんに、私は涙を拭いて微笑んだ。


「ううん、違うの。友だちになりたいって言われたのが初めてで、なんか嬉しくなっちゃって」


「あ、なんだ。良かった」


ほっと胸を撫で下ろす逢坂くん。