家を出ると、そこには逢坂くんの姿。


いきなりのことについ驚いていると、彼は照れた様子で頭をかく。


「おはよ、鳴海……急に、ごめんな」


「おはよう。どうしたの、こんな朝早く」


「一緒に行こうと思って…」


おずおずと聞いてくる逢坂くん。


もしかしたら三枝くんのことで何かあるのかな、と思い、私は頷く。


するとぱあっと表情を明るくし、2人で歩き始めた。


「逢坂くんがそんなこと言ってくるなんて、珍しいね」


歩きながら、私は隣の逢坂くんに尋ねた。


「いや、まあ…大丈夫かな、って…」


「大丈夫って?」


首を傾げると、逢坂くんは顔を赤らめて言った。


「ほら、昨日連絡なかったからさ…」


連絡…。


その言葉で思い出したのは、メモ用紙に書いた電話番号とメールアドレス。