なんて歩きながら話しているうちに、気付けば家に着いてしまった。


手の中の三枝くんはどうしたらいいだろう。


「もしかしたら、ここお前んち? さっきから足が動いてないみたいだけど」


「うん、そうなんだけど…」


やっぱり三枝くんを元の自分の家に送り届けるべきかと思い、彼に聞いたら、間もなく首を横に振った。


「今帰ったら、親とかに説明するのに面倒くさいことになるからいい」


「でも、やっぱり心配されてるんじゃ…」


「それに、鳴海は俺んち知らねぇだろ? ここからじゃ、多分結構遠くなると思うから、遠慮しとくよ」


ただ単に帰りたくないだけなのか、私に気を遣ってくれているのか。


どっちが正解かなんて分かるはずもないけれど、本人が行かないって言っているなら私はそれに従うだけ。