遊園地を後にすると、私たちは三枝くんの家に向かう。
直接聞いてみればいい。
ちゃんと向き合え。
という逢坂くんの言葉が胸に響いたようで、一寸成就のことも今の思いも、全て打ち明けようと決めたらしい。
三枝くんの家はマンションの二階だった。
決して大きいとは言えないけれど、だからこそ家族の愛を近いところで感じることが出来る場所。
でも裏を返せば、三枝くんにとってその狭さがとても居心地を悪くさせていたのかもしれない。
逢坂くんがインターホンに手を触れると、数秒経って母親らしき人が出てきた。
三枝くんによく似た、優しい面影。
「はい、どちら様?」